精神療法

心理教育(しんりきょういく)/疾病教育(しっぺいきょういく)

自分自身の疾患の正しい知識を身につけ、対応できるようにする。

心理教育とは、患者もしくはその家族へ、精神疾患や治療についての知識を教える事です。精神疾患に対して対応するには、まずその正体を理解する事が先決。

疾患の兆候(サイン)を知ること悪化した時に対応できることを目標に、知識を身につけていただくことになります。自分自身の病気を知ることで、心の準備と言いますか、心構えを持っておくことで負担を減らすことに繋がり、「あ、きた。やばいかも。」と自分のラインを感じ、専門家に助けを求めるタイミングがわかることにもつながります。

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸

集団精神療法(しゅうだんせいしんりょうほう)

同じ精神疾患の悩みを持つ仲間との絆

映画をよく見る方はわかると思いますが、洋画でよく「断酒会」として登場するのが、この集団精神療法です。

同じ時間・同じ場所で複数人の同じ悩みを持った患者が集まり、コミュニケーションを通じて問題の解決を目指します。

アルコール・ギャンブル・セックス・ドラッグの依存症摂食障害によく用いられていますが、うつ病や統合失調症、不安症などにも有効だと思います。

一番のキモは、独りではなく仲間とともに治癒していく安心感、互いが持っている知識の交換、自分の経験や知識が人の役に立っているという自己効力感、仲間がよくなっていくことで得られる希望、などです。

現場に立っていてマンツーマンでお話を聞いていると、マンツーマンだから聞けるお話やさらけ出せる心がある、と強く感じると同時に、集団でしか得られない高揚感やエネルギーがある、とも感じます。

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸

認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)

物事のとらえかたを整える

認知行動療法は、認知(物事の解釈)をバランスよく整えて、円滑な行動を促していく療法です。

具体的には、「買い物に行った際に、店員に声をかけたが無視された。」という物事に対して、「忙しくて聞こえてないか」と思う人もいれば、「わざと無視された。なめられている。」と怒る人、「面倒な客だと思われて避けられた」と悲しい気持ちになる人など、実に多様な受け止め方をする人がいます。

自分にはどんな受け止め方のクセがあるのかを知り、であればどんな受け止め方をするように努めたら、穏やかに過ごせるのかを考えていきます。捉え方のクセをコントロールして、わかりやすくいえばポジティブになれる捉え方を身に付けていきます。

うつ病や不安障害に多く用いられ、症状によりますが統合失調症や神経発達症にも用いられる印象があります。

ただ、こちらも自分自身と向き合う事が必須であり、体調が安定しているかどうかには注意しながら用いる事が多いです。

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸

精神分析療法(せいしんぶんせきりょうほう)

対話によって相手の背景を分析する

有効なのは、いわゆる不安症である解離性障害強迫症などの精神疾患に限定されます。また、統合失調症に用いると逆に悪化させてしまう可能性もあり、要注意です。

フロイトという精神医が創始者であり、患者の問題や時間・場所などの条件に合わせて行う精神療法です。1週間に一回、45分程度の時間の中で面接形式で実施される事が多いです。

具体的には、支持的療法のようにただありのままを話していただくのですが、セラピスト側からも質問や問いかけをし、深掘りをしていく事が特徴です。ご本人も認識していない患者の背景にある「何か」を見つけるために掘り下げていくので、PTSDや統合失調症などには行わない事が多いと思います。

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸

支持的精神療法(しじてきせいしんりょうほう)

ほとんどの精神疾患に対して有効

患者の心の声を聞く事が大切

支持的精神療法は、カウンセリングの基礎となる精神療法です。

傾聴

親身になってよく聞く。

受容

受け止める。

共感

感じていること、思っていることを尊重し、支持する。

3つのことを中心に進める精神療法です。

患者は思っていること、感じていることを誰かに話すことで、思考や感情がまとまり、落ち着いていきます。

お身体の不調、特にコリや痛みの場合は、発生した経緯などを詳し苦聞くものですが、精神療法ではあなたはそう思っているのですね、と相手の話したいことを目一杯話してもらう事が重要になります。間違っても、相手を苦しめるような詰める聴き方はしません。

患者の考えていること、感じていることを、ありのまま・そのまま話してもらえるように、環境やこちらの態度を整えることが、施術者やカウンセラーの実力といっていいかもしれません。

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸