ソウルグッドマンと守秘義務

私は鍼灸師ですが、いわゆるカウンセラー的な立ち位置を取ることもあります。いわゆる心や精神的な相談で、とてもパーソナルな問題も多くあります。いや、客観的にみたら強弱大小がつく問題かもしれませんが、当人にとっては常にMAXでパーソナル・センシティブな問題となることがほとんどでしょう。だからこそ悩んでいる。

史上最も売れた海外ドラマのひとつ、「ブレイキングバッド」という作品の中で、弁護士の男がいいました。「ポケットに1ドル入れろ。その瞬間から私たちの会話は守秘義務で守られる。」

このドラマは、裏社会のあれこれを描いた作品で、つまり法外なこともたくさん出てきます。作中の弁護士も、依頼人が「ヤバい」案件を持ってきても、黙っていても良いことになります。クライアントと専門家との間の会話は、誰にも侵害される事はないという最たる事例ではないでしょうか。

法外なことでさえ守ってくれるこの守秘義務は、私たちにもあります。お話しいただく内容が、どんなに話しにくいことでも、私はただ事実として受け入れます。私と患者患者との間に、「常識という定規」はありません。

話がまとまっている必要もありませんし、こんな話してもいいのかと悩む必要もありません。ただただ口をついて出た言葉を私に吐いてもらえれば良いのです。

それが私の仕事であり、好きなことだから大丈夫です。