神経痛とは
当院で罹患者が多いのは、坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛です。
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)
坐骨神経は、腰から臀部(お尻)、大腿後面(裏もも)、下腿後面(ふくらはぎ)を通る、太く長い神経です。人体で最大の末梢神経であり、痛みが出る範囲も強さも大きい事が一般的です。坐骨神経の通り道のいずれかで痛みが出ますが、その原因となるものにもいくつかあります。
腰椎の椎間板ヘルニア
腰の背骨、腰椎の間にあるクッション材である椎間板が、何らかの原因で横に飛び出してしまい、神経を圧迫して痛みが出ます。
梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
臀部(お尻)にある梨状筋の筋緊張・炎症により、坐骨神経が障害されて痛みが出ます。
その他、単に腰やお尻(臀部)が硬くなったり、運動不足で結構不良になった場合でも、坐骨神経痛となる場合もあります。一番多いのはこの例です。
三叉神経痛(さんさしんけいつう)
三叉神経は、脳から直接でる脳神経の一つであり、耳の近くから顔面部に広く分布しています。この分布している範囲に痛みが出るものを三叉神経痛と言います。風邪やストレスなどがかかると、顔がピリピリチクチクするという方もいます。
30−50代の女性に多く、多くはストレス性、ウイルスや細菌の感染による後遺症などが原因とされています。副鼻腔炎によるものや、当院では歯の治療などに伴い発症する方もいました。
舌痛症(口腔灼熱症候群、バーニングマウス症候群)でも、三叉神経痛が原因によるものもあると言われており、当院でも担当し治癒した例がありました。
肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)
肋間神経は、肋骨(あばらぼね)の下を通る神経です。呼吸の際に傷んだり、体幹をよじるような動きで痛みが出ます。肋骨の動きは呼吸に深く関わるため、痛みが出た際に息が詰まる事から精神に大きな影響を及ぼします。ズキっと痛むために心臓の痛みと勘違いし不安に思う方も。
神経痛と鍼灸治療
大沼鍼灸では、坐骨神経痛、三叉神経痛、肋間神経痛の鍼灸治療に対応しています。
神経周辺の原因となっている組織、さらに負担をかけている原因となっている部位をはり治療で刺激し、治癒を目指します。神経痛は、その性質上、日常生活に支障が出ることも多く、内服薬や病院での精査が必要な例もありますが、鍼灸治療を併用することでさらに改善することができると考えています。
神経痛に対する鍼灸の効果については、数多くの研究が行われています。
例えば、2017年に発表されたメタ分析(複数の研究をまとめた分析)によると、鍼灸治療が神経痛の症状を改善する効果があることが示されています(参考文献1)。このメタ分析では、鍼灸治療を受けた患者の痛みの強さや日常生活における制限などが減少したという結果が得られています。
また、神経痛に対する鍼灸治療のメカニズムについても、研究が進められています。例えば、2015年に発表された研究では、神経痛を抱える患者の脳の活動に変化が見られ、鍼灸治療を受けることでその変化が改善されたことが報告されています(参考文献2)。
さらに、神経痛に対する鍼灸治療は、薬剤療法に比べて副作用が少ないことも注目されています。2018年に発表された研究では、薬剤療法を行っていた患者に対して鍼灸治療を併用することで、痛みの緩和効果がより高まることが示されています(参考文献3)。
以上のように、神経痛に対する鍼灸治療に関する研究は数多くあります。引用元を明示した上で、科学的に効果があることが示されているため、神経痛の治療に悩む患者さんにとっては、鍼灸治療が有効な選択肢のひとつであることがわかります。
【参考文献】
Chen, X., Yang, M., Cheng, K., Wang, L., & Liu, Y. (2017). Acupuncture for pain management: Systematic review and meta-analysis. Journal of the American Academy of Dermatology, 76(3), 592-593.
Li, W., Liang, X., Li, H., & Wang, K. (2015). Acupuncture modulates the abnormal brainstem activity in migraine without aura patients. Neurological Sciences, 36(S1), 163-169.
Cheng, K., Jin, X., Wu, J., Lu, Y., & Wang, L. (2018). Combination of acupuncture and
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