症例 20代後半 女性 不眠症・不安感

※患者さまにコラムにすることを了承していただいた症例のみを掲載しています。

今回の患者さまは、この「症例コラム」をみて来院を決めた、と言っていただきました。こんな拙い文章で恐縮ですが、少しでも人となり、や考え方を知っていただけて、ものすごく嬉しかったです。書いててよかった。

ネット予約から「全身美容鍼」をご予約をいただいていました。

予約システムからお悩みを記入していただいていましたが、ざっくり「日によって起き上がるのも辛い事がある。心療内科に行ったが、異常は無く疲れから自律神経のバランスが乱れている、と言われた。処方箋も出されたが、薬が怖くて飲みたくない。一度見てもらえないか。」とのことでした。

来院されてから、問診にてお話を詳しくお伺いします。

「美容鍼を前から受けてみたいと思っていた。探しているうちに大沼鍼灸を見つけ、メンタル疾患もみてもらえると知り、受けてみたいと思った。」とのこと。実は当院はこういった美容鍼をきっかけにお身体の不安も見てほしい、というケースがとても多く、メンタルの調子と美容の深い関係が現れていると痛感します。


症状
1ヶ月ほど前から寝付きが悪く、次の日の仕事に影響が出るのが不安で余計に眠れなくなる。24時に寝る体制に入っても寝付く時間は2時は過ぎる。改善しようと早めに床につくが、22時に寝ようとしても2時くらいまで眠れない。中途覚醒は無い。朝はもちろん寝足りなく、アラームのスヌーズは5分おきで1時間設定しているとのこと。

更に、不眠の症状が出る前から、たまに息が苦しく動悸がつよくなる感覚があるとのこと。えずくような苦しさもでて、目の前の仕事に集中できない、タスクも溜まっていく、すると焦ってさらにだるさが強くなる。疲れが顔に出ているのが気になり、美容鍼をメインに身体も治療できれば、という事です。


施術
問診(カウンセリング)でお話頂いた内容を基に、お身体を診ていきます。
まず、不眠がある方は基本的に表情筋・首の緊張が強い事が多くあります。お布団にはいっても緊張が抜けず、深いリラックスモードに入る事ができないためです。入眠も悪くなりますし、睡眠中も脱力がうまく出来ずに、筋肉の過緊張や他の部位の緊張、特に顎の噛み締め、歯ぎしりが見られる事もあります。
今回の症例も例外ではなく、ストレートネックで常に首の緊張が強くありました。仰向けで完全に脱力していただくようにお伝えしても、無意識下での緊張ですので、どれだけ意識したところでゆるみません。こういった場合は、緊張状態で固まっている筋肉に鍼で刺激を入れてあげるのが効果的です。こりが強い場合、皮膚がチクチクする鋭い痛みがあるか、ズーン・ドーンといった響くような反応があります。刺激を感知する感覚器はコリで麻痺していますから、鍼でハッと目を覚ますようなイメージになります。この患者さまの場合は、主に右側のだるさを訴えていましたが、触診で硬さが目立ったのは左側でした。鍼も手技も、左側の反応が悪く鈍くなっていましたので、左右で刺激量を調節しながら進めて行きます。今回は「全身美容鍼」での施術でしたので、身体はポイントをしぼっていきます。
お顔の方ですが、思っていたほど(身体のバランスに比べて)左右差がありません。「疲れたように見える顔」「たるみ」「顔色」が気になるとのことで、自律神経系を整えるために頭や首にも鍼を多めにちらしていきます。さらに動きの悪くなった表情筋を動かしていくために、電気鍼によって大きく動かしていきます。痛みもなく大きく動いてくれたので、血の巡りも良くなり、結果として自律神経系も調整され、通電中はお休みになられていました。鍼の痛みは、思っていたよりも痛かったが、大した痛みではない、とおしゃっていました。通電中はお休みになっていたようで、終了後、「普通に家のベッドで目が覚めたと思って混乱した。」とおっしゃっていました。短時間でも深く睡眠を取ることはとても重要です。夜まとまった時間を取るのも良いのですが、気の向くままに短いお昼寝をしつつ、だらだらと身を休めるのも時には必要だと思います。

身体を整えた上で美容鍼を施すことで、より緊張が緩和し、自律神経系の安定に繋がり、結果として美容鍼自体の効果も強く出てくれるようになります。
初回にしては、とても反応も良くすんなり緊張が緩和してくれた例でした。ご本人も緊張が取れた自覚があり、とても喜んでいただけました。基本的には3週に一回の施術、あとは日頃のストレスによる身体の反応、疲労の蓄積具合を見て、治療スパンを長くしたり短くしたりしてみてください。

症状の相談は、大沼鍼灸の公式LINEまでご連絡ください。