コロナ渦において不眠・睡眠障害を抱える人が急増
全てのメンタルの悩みに通ずる、不眠と睡眠障害。
当院の患者が訴える問題として、最も多いものに『不眠・睡眠障害』があり、現代の日本人は5人に1人が不眠に悩まされていると言われています。
ですが、不眠症で医師に受診する割合が極端に低く、寝る前に酒を飲む比率が最も高くことがフランスの製薬会社[サノフィ・サンテラボ]の国際睡眠疫学調査で判明しました。
史上初の大規模な国際調査では、日本・ドイツ・中国なと10カ国で約35000人にアンケートし、日本では約1万人が対象で、睡眠の悩みを訴えている人は全体で25%、日本人では21%という結果でした。
不眠を自分で抱え込んでしまう日本人
その対策は「医師に受診」が欧州などを中心に、半数近くいたのに対し、日本では最下位の8%にとどまりました。
不眠に悩んで睡眠薬を服用する人は日本で15%。逆に、不眠を解消しようと寝る前に酒を飲む人は、日本人が30%と1番多かったとあります。
ここからも分かるように、不眠症に悩む日本人の受診率の低さは、「病院に行くほどではない」、「薬に依存してしまうかも」、と言う不安感から来るものと予想されます。
睡眠薬の長期使用では依存症になる事例が多数あり、薬の摂取量も耐性がつく事で量が増えてきます。一時的な睡眠不足は問題はないのですが、慢性的な不眠症では疲労・だるさ・イライラ・記憶喪失、集中力減少やうつなどのメンタル疾患の原因になる可能性が高くあります。
不眠に対する鍼灸治療
不眠症は鍼灸治療が得意とするところです。東洋医学の古典医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』の中に(不得眠)(目不瞑)(不得臥)といった記載があり、昔から「不眠症」を病ととらえていたことが分かります。
不眠症は失眠または『不寝』といい、五臓でいうところの心・肝の機能の変調や、陰陽のアンバランスによって起きると考えられています。
心の臓による不眠は寝つきが悪く、寝ても夢をみる事が多いと言われ、肝の臓による不眠は眠りが浅く、よく目を覚まると示されてます。
当院のアプローチは顔面部、頭部、頚〜肩部、廃部などの自律神経系が巡る箇所を重点的に施術していき、身体の緊張を取り除く事で、深い睡眠を取れる身体に整えていくことが基本になります。
当院の患者様でも、多くの悩みに付随する形で、不眠や睡眠障害は必ずと言っていいほどついてくる印象があります。何気なく睡眠薬を服用し、心療内科や精神科に通院するほどまで悪化する例も多く見受けられ、睡眠の大切さを痛感します。