不眠

メンタル疾患の診断と病名

メンタル疾患、つまりこころの病気と一口に言っても種類も症状も多種多様です。こころの病気を診て、病名をくだす方法は、からだの疾患とは考え方が異なっているからです。


からだの疾患の場合、病名は臓器(内臓や筋肉など)の種類や部位、原因によって分類されることが多いのですが、こころの疾患の場合は、脳というひとつの臓器をメインに捉えており、さらに原因がわかっていない疾患が多い特徴があります。


そのために、最近では「特徴となる症状」と「持続期間」および「それによる生活上の支障がどの程度あるか」を中心に診断名をつける方向に変わって来ました。こころの疾患についてのおもな判断基準として、米国精神医学会が策定した【DSM】、世界保健機関(WHO)によってつくられた【ICD(国際疾病分類)】があり、日本でも多く用いられています。こうした診断の基準では、原因は問わないことがセオリーとなっています。


社会的なストレス・環境の状態も含めて総合的に診断することは治療方針を決めるのにとても重要です。

【うつ病】という診断がついた場合でも、ストレスがきっかけの場合もあれば、体の病気と関係していることもあります。多種多様な背景をからだから読み取りつつ、お話を伺いつつ、原因と向き合うことができるのは我々鍼灸師の強みであると考えています。

不眠・睡眠障害と鍼灸

眠れないつらさを、身体と生活から相談する

寝つくまでに時間がかかる。夜中に何度も目が覚める。朝早く起きてしまい、そのあと眠れない。眠りの悩みは、夜だけでなく、日中の疲れや仕事のしづらさにも関わります。

「まだ病院に行くほどではない」と思っていても、眠れない日が続いて生活で困っているなら、相談してよいと思います。床に入る時刻、眠り方、日中の過ごし方を伝えると、相談の手がかりになります。

不眠の治療には、複数の方法がある

慢性的な不眠には、眠りに関わる行動や考え方を扱う認知行動療法(CBT-I)などの治療があります。薬を使う場合も、種類や使う期間によって、期待できることと注意点が異なります。NHLBIの不眠の治療案内

「睡眠薬はどれも依存につながる」「薬を飲むと悪化する」と一括りにはできません。不安があれば、処方した医師や薬剤師に、今の薬の目的や使い方を確認してください。服用中の薬を、自分の判断で急に変えないことも大切です。

大沼鍼灸では、休もうとしている身体にも目を向ける

眠る時間を確保していても、横になると首や背中の張りが気になる。明日のことを考えるうちに、身体に力が入ってしまう。こうした困りごともお聞かせください。

当院では、頭や首、肩、背中などの状態を確認し、つらい部分や施術の刺激への反応を伺いながら進めます。身体のこわばりだけで不眠の原因を決めたり、そこを緩めれば深く眠れると約束したりはしません。

眠ろうとする気持ちは、そのときの身体や日中の過ごし方と切り離せない。私はそう考えています。寝室だけを変えれば済むのか、仕事や人間関係の負担も続いているのか。眠れない夜に何をしているかだけでなく、その夜を迎えるまでの生活についても伺います。

鍼灸の効果について

不眠を対象にした鍼灸の研究はありますが、研究の規模や方法に限界もあり、効果について確実な結論が出ているわけではありません。NCCIHの睡眠と補完療法の案内

施術を検討するときは、どこがつらく、何に困っているかを共有し、受けたあとも眠りや日中の状態を見ていきます。一晩の変化だけで結論を出さず、必要な医療と合わせて考えます。

すでに診療を受けている方は、現在の治療をお知らせください。「眠れない」だけでは説明しにくいときもあると思います。寝つきの悪さや、途中で起きてしまうこと、休んだ感じがしないことなど、話せるところからご相談いただけます。

不眠症

寝つきが悪い眠りを維持できない朝早く目が覚める眠りが浅くて充分に眠れた感じがしない、などの症状が続き、よく眠れないため日中の眠気注意力の散漫疲れや種々の体調不良が起こる状態を指します。

日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいると言われています。不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。当院にお越しいただく方も、30歳前後の方が一番多く、仕事や家事育児に奔走する、25〜50代の方が多くいらっしゃいます。

不眠症のタイプ

入眠困難

床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。

中途覚醒

いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。

早朝覚醒

希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。

熟眠障害

眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。

これらの症状は同時に複数現れることがあります。

不眠症を引き起こす主な原因

環境要因

時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など

身体要因

年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど

心の要因

悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど

生活習慣要因

アルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など

大沼鍼灸(仙台)での不眠治療

上半身、特に背部と首から頭部にかけての施術が主になります。不眠の方は常に緊張状態にある事が多く、緊張を緩和させる事で、自然と休息をとってもいいんだよ、と身体に教えてあげるイメージです。やわらかく浸透する石灸や丁寧な指圧、鍼を行います。