不眠

メンタル疾患の診断と病名

メンタル疾患、つまりこころの病気と一口に言っても種類も症状も多種多様です。こころの病気を診て、病名をくだす方法は、からだの疾患とは考え方が異なっているからです。


からだの疾患の場合、病名は臓器(内臓や筋肉など)の種類や部位、原因によって分類されることが多いのですが、こころの疾患の場合は、脳というひとつの臓器をメインに捉えており、さらに原因がわかっていない疾患が多い特徴があります。


そのために、最近では「特徴となる症状」と「持続期間」および「それによる生活上の支障がどの程度あるか」を中心に診断名をつける方向に変わって来ました。こころの疾患についてのおもな判断基準として、米国精神医学会が策定した【DSM】、世界保健機関(WHO)によってつくられた【ICD(国際疾病分類)】があり、日本でも多く用いられています。こうした診断の基準では、原因は問わないことがセオリーとなっています。


社会的なストレス・環境の状態も含めて総合的に診断することは治療方針を決めるのにとても重要です。

【うつ病】という診断がついた場合でも、ストレスがきっかけの場合もあれば、体の病気と関係していることもあります。多種多様な背景をからだから読み取りつつ、お話を伺いつつ、原因と向き合うことができるのは我々鍼灸師の強みであると考えています。

不眠・睡眠障害と鍼灸

コロナ渦において不眠・睡眠障害を抱える人が急増

全てのメンタルの悩みに通ずる、不眠と睡眠障害。

当院の患者が訴える問題として、最も多いものに『不眠・睡眠障害』があり、現代の日本人は5人に1人が不眠に悩まされていると言われています。

ですが、不眠症で医師に受診する割合が極端に低く、寝る前に酒を飲む比率が最も高くことがフランスの製薬会社[サノフィ・サンテラボ]の国際睡眠疫学調査で判明しました。

史上初の大規模な国際調査では、日本・ドイツ・中国なと10カ国で約35000人にアンケートし、日本では約1万人が対象で、睡眠の悩みを訴えている人は全体で25%、日本人では21%という結果でした。

不眠を自分で抱え込んでしまう日本人

その対策は「医師に受診」が欧州などを中心に、半数近くいたのに対し、日本では最下位の8%にとどまりました。

不眠に悩んで睡眠薬を服用する人は日本で15%。逆に、不眠を解消しようと寝る前に酒を飲む人は、日本人が30%と1番多かったとあります。

ここからも分かるように、不眠症に悩む日本人の受診率の低さは、「病院に行くほどではない」、「薬に依存してしまうかも」、と言う不安感から来るものと予想されます。

睡眠薬の長期使用では依存症になる事例が多数あり、薬の摂取量も耐性がつく事で量が増えてきます。一時的な睡眠不足は問題はないのですが、慢性的な不眠症では疲労・だるさ・イライラ・記憶喪失、集中力減少やうつなどのメンタル疾患の原因になる可能性が高くあります。

不眠に対する鍼灸治療

不眠症は鍼灸治療が得意とするところです。東洋医学の古典医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』の中に(不得眠)(目不瞑)(不得臥)といった記載があり、昔から「不眠症」を病ととらえていたことが分かります。

不眠症は失眠または『不寝』といい、五臓でいうところの心・肝の機能の変調や、陰陽のアンバランスによって起きると考えられています。

心の臓による不眠は寝つきが悪く、寝ても夢をみる事が多いと言われ、肝の臓による不眠は眠りが浅く、よく目を覚まると示されてます。

当院のアプローチは顔面部、頭部、頚〜肩部、廃部などの自律神経系が巡る箇所を重点的に施術していき、身体の緊張を取り除く事で、深い睡眠を取れる身体に整えていくことが基本になります。

当院の患者様でも、多くの悩みに付随する形で、不眠や睡眠障害は必ずと言っていいほどついてくる印象があります。何気なく睡眠薬を服用し、心療内科や精神科に通院するほどまで悪化する例も多く見受けられ、睡眠の大切さを痛感します。

多くの方が不眠を改善したい気持ちで当院を訪ねてくださり、より良い睡眠を手に入れています。LINEやメール、SNSのDMからでもお気軽に症状のご相談をお待ちしています。

不眠症|仙台の鍼灸院【大沼鍼灸】

寝つきが悪い眠りを維持できない朝早く目が覚める眠りが浅くて充分に眠れた感じがしない、などの症状が続き、よく眠れないため日中の眠気注意力の散漫疲れや種々の体調不良が起こる状態を指します。

日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいると言われています。不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。当院にお越しいただく方も、30歳前後の方が一番多く、仕事や家事育児に奔走する、25〜50代の方が多くいらっしゃいます。

不眠症のタイプ

入眠困難

床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。

中途覚醒

いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。

早朝覚醒

希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。

熟眠障害

眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。

これらの症状は同時に複数現れることがあります。

不眠症を引き起こす主な原因

環境要因

時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など

身体要因

年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど

心の要因

悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど

生活習慣要因

アルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など

大沼鍼灸(仙台)での不眠治療

上半身、特に背部と首から頭部にかけての施術が主になります。不眠の方は常に緊張状態にある事が多く、緊張を緩和させる事で、自然と休息をとってもいいんだよ、と身体に教えてあげるイメージです。やわらかく浸透する石灸や丁寧な指圧、鍼を行います。