鍼灸(しんきゅう)とは、身体に鍼や灸を用いた刺激を与えることを言います、多種多様な疾病への治療的な介入や健康増進を目的とする民間療法です。中国医学系伝統医学で用いられる治療法の一つで、補完・代替医療とみなされることもあります。諸子百家の時代の中国の文献に鍼灸治療が見られる」。理論が体系化されたのは、戦国から後漢にかけての中国で、最初の理論体系として(200年前後)に成立した【黄帝内経】(生理学や一般病理学についての【素問】と鍼灸理論が扱われた【霊枢】)と【黄帝八十八難経】(難経)があります・
身体へ加えた様々な物理刺激による治療的経験則の数世紀にわたる集積であり、これを技術論として構築した技法を「鍼灸」と呼んでいます。近世まで、生薬方と共に東アジア各国の主要な医療技術として発展した。特に18世紀頃の日本において鍼灸は独自の発展を遂げ、現在世界的に活用される鍼灸技法の基盤を形成しました。日本では「医師」の他「はり師」「きゆう師」がこれを行えます。20世紀後半よりは欧米においても有用な医療技術として認識されて活用されるようになり、これを受ける形で、世界保健機関(WHO)は、1996年10月28日-11月1日にセルビアで“鍼に関する会議”を開催し、1999年には、鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドラインを提示しました。
ユネスコ(UNESCO)は「伝統中国医学としての鍼灸」(Acupuncture and moxibustion of traditional Chinese medicine)を、2010年11月16日に無形文化遺産に指定しています。