鍼灸

鍼灸の適応疾患

鍼灸で相談できることと、効果についてわかっていること

肩や腰の痛み、身体のこわばり、眠りにくさ。鍼灸院にはさまざまな困りごとの相談があります。ただし、相談を受けている症状の一覧と、効果が確かめられている病気の一覧は、同じではありません。

鍼灸を検討するときには、「自分の症状に対して、何を目的に施術するのか」が大切です。病名が一覧にあるという理由だけで、治るとは判断できません。

研究でわかっていること

鍼治療の研究には、腰や首などの慢性的な痛み、変形性膝関節症の痛み、頭痛などを対象にしたものがあります。米国の公的機関NCCIHは、こうした痛みの一部について有用性を示す結果を紹介しています。一方で、症状や比較する治療によって結果が異なることも説明しています。NCCIHの鍼治療の有効性と安全性

たとえば、何も受けない場合と比べて楽になったという結果と、別の治療より優れていたという結果は、意味が違います。研究があるという事実だけで、その人の症状がどの程度変わるかまでは決められません。

また、身体に変化が起きる仕組みの説明と、ある病気への治療効果の確認も別のことです。「自律神経を整える」「免疫力を高める」という言葉は、多くの病気への効果を保証する根拠になりません。

大沼鍼灸で大切にしていること

当院では、気になる症状だけでなく、身体のこわばりや動きにくさ、日常の負担についても伺います。施術する部位は、病名だけで機械的に決めず、身体の状態や刺激への反応を踏まえて考えます。

私は、気持ちや考えも身体から立ち上がり、その身体が生活や人との関わりのなかで変わると考えています。だから、身体を扱うときにも、仕事や暮らしの話を一緒に伺います。施術で少し楽になっても、日々の負担によっては、困りごとを解消できない場合もあるからです。

身体に触れてわかることを大切にしながら、それだけで病気の原因を決めない。そのうえで、何を目指して施術し、どんな変化を確認するかを、ご本人と共有していきます。

相談のときに教えていただきたいこと

いつから、どこが、どんなふうにつらいのか。何をしていると困るのか。病院で受けた検査や説明、服薬、ほかの治療についてもお知らせください。

症状によっては、先に医療機関での確認をお勧めします。鍼灸を受けることが、診断や必要な治療を遅らせることにならないように考えます。

鍼灸には有害な反応が起きることもあり、誰にとっても安全とは言い切れません。持病や服薬による注意点も含め、施術を受ける前に不安なことをご相談ください。今の状態で何を相談できるか、そこからお話しいただけます。

鍼灸とは?

鍼灸(しんきゅう)とは、身体に鍼や灸を用いた刺激を与えることを言います、多種多様な疾病への治療的な介入や健康増進を目的とする民間療法です。中国医学系伝統医学で用いられる治療法の一つで、補完・代替医療とみなされることもあります。諸子百家の時代の中国の文献に鍼灸治療が見られる」。理論が体系化されたのは、戦国から後漢にかけての中国で、最初の理論体系として(200年前後)に成立した【黄帝内経】(生理学や一般病理学についての【素問】と鍼灸理論が扱われた【霊枢】)と【黄帝八十八難経】(難経)があります・

身体へ加えた様々な物理刺激による治療的経験則の数世紀にわたる集積であり、これを技術論として構築した技法を「鍼灸」と呼んでいます。近世まで、生薬方と共に東アジア各国の主要な医療技術として発展した。特に18世紀頃の日本において鍼灸は独自の発展を遂げ、現在世界的に活用される鍼灸技法の基盤を形成しました。日本では「医師」の他「はり師」「きゆう師」がこれを行えます。20世紀後半よりは欧米においても有用な医療技術として認識されて活用されるようになり、これを受ける形で、世界保健機関(WHO)は、1996年10月28日-11月1日にセルビアで“鍼に関する会議”を開催し、1999年には、鍼治療の基礎教育と安全性に関するガイドラインを提示しました。

ユネスコ(UNESCO)は「伝統中国医学としての鍼灸」(Acupuncture and moxibustion of traditional Chinese medicine)を、2010年11月16日に無形文化遺産に指定しています。