美容鍼についてお客様からいただくことが多い疑問について、答えをまとめました。
東洋医学の一つであり、全身にあるツボを鍼で刺激することで体の不調や痛みを改善する鍼治療。
その中で美容を目的としたものが「美容鍼」です。皮膚や筋肉に直接アプローチすることで、ニキビやほうれい線、しみ、しわ、たるみなどさまざまな悩みの原因に根本から迫り、肌質や体質自体を改善することで、健康的な美しさを持続する効果が期待されています。
01.
美容鍼のメカニズム
人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれています。表皮から真皮へ鍼を刺し入れると細胞が「組織が壊された」と認識し、人間の体に備わっている「自然治癒力」が働いて壊れた組織を修復しようとします。すると、新陳代謝が活発になり、コラーゲンやセラミドの分泌が促進され、血行もよくなります。このように、美容鍼では、肌の内側に直接アプローチすることで、むくみやくすみ、しみ、しわなどの改善が期待できます。
美容鍼による効果は、施術を重ねるごとに持続時間が長くなる傾向があります。肌の細胞への刺激を何度か重ねることで、コラーゲンやセラミドの分泌が進みやすくなるためだと考えられています。
02.
美容鍼に即効性はある?
美容鍼は、本人がもともと持っている自然治癒力を引き出して体や顔の悩みを改善する方法なので、その効果の表れ方は人によって異なります。即効性についても個人差はありますが、「翌日に肌のハリや引き締まりを感じた」「すぐにお化粧のノリがよくなった」という実感を得ている人は多いようです。例えば、生活習慣からくる冷えなどが原因でできるクマの場合は改善までに時間を要しますが、頬に老廃物が溜まることでできるほうれい線の場合は、老廃物を流してしまえばすぐに効果があらわれるので、「しわが薄くなった」という実感を得られやすくなります。
03.
痛みはないの?
効果が期待できるとしても、顔に鍼を刺すことには抵抗がある、という方もいるかもしれません。特に気になるのは施術の際の痛みでしょう。しかし、一般的に鍼灸院で使われているのは髪の毛ほどの細さの鍼。ほとんどの方は痛みを感じていないようです。体質やその日の体調によって痛みの感じ方は異なります。
04.
美容鍼はどのくらいの頻度で通えばよいの?
施術を受けるのに最適な頻度には個人差がありますが、症状が改善するまでは週1回、改善した後もできれば月1~2回程度のペースで通ってケアを続けることで施術の効果を長く維持できると考えています。一般的に、施術を重ねるごとに効果の持続時間も長くなる傾向があります。ただ、施術によって症状が改善しても、生活習慣やストレス、季節の変化など、日常生活の中では常に体に負担がかかり続けているため、何もせずによい状態を永遠に維持することは難しいでしょう。まったく施術を受けないでいると、不調だったときの状態にまで戻ってしまうこともあるので、月1回でも継続することが大切です。
05.
電気を流す美容鍼とは?
美容鍼は肌の真皮層や筋肉に直接アプローチすることにより、根本からの悩み改善や即効性が期待されています。鍼を刺すだけでも十分な刺激を与えられますが、より短時間で効果を得るために、鍼に電気を流す施術もあります。施術する部位やその日の体調などに合わせ、刺激を感じる一歩前の段階までの電流を流します。電気の周波数や量を調整することで適切な刺激を与えることが可能です。電気を流すことでより多くの刺激を与え、血流の改善や筋肉のこり・疲労緩和の効果が期待できます。
06.
美容鍼の効果と持続時間
鍼によって肌に刺激を与えて得られた効果が持続するのは、一般的には2週間ぐらいといわれています。ただし、お悩みの部位や症状の程度、日頃の生活習慣、ストレスの度合いなどによって持続時間は異なってきます。悩み別に、改善へのアプローチ方法や一般的な持続時間をご紹介します。
07.
ほうれい線のリフトアップ
ほうれい線の原因の一つと考えられているのが肌の栄養不足です。そのため、胃腸の働きを整えるツボへアプローチして栄養の吸収力を高め、肌まで栄養が行き届くようにすれば、ほうれい線も目立たなっていきます。また、頬にある脂肪ポケットに老廃物が溜まり、その重みで頬が下がりほうれい線が目立っていることもあります。その場合は、鍼の刺激によって溜まっている老廃物を流すことで、その場でほうれい線が薄くなったことを実感できることがあります。ただし、1回の施術で効果を実感できたとしても、その効果が持続するのは最初のうちは2~3日程度。継続して通うことで深いほうれい線でも徐々に目立たなくしていくことが可能です。
08.
しみ、しわ、たるみの解消
しみができる最も大きな原因は紫外線です。紫外線を受けた肌は自らを守るためにメラニン(色素)を分泌しますが、過剰に分泌されたメラニンはうまく代謝されずに肌に沈着し、しみになります。こうしてできてしまったしみに対しては、鍼で真皮層を刺激して肌のターンオーバーを活発にし、ダメージを受けた部分を肌表面へ押し上げて、キレイな肌に生まれ変わるようにサポートします。
しみは血行不良が原因でできることも多いため、しみの周辺にアプローチして血流を改善することで、既にできているしみを薄くしたり、新しいしみができにくい肌質へ改善したりすることもあります。
09.
小顔効果
顔が大きく見えてしまう原因の一つは、顔の血行不良にあります。血行不良になると顔がこったり、老廃物が流れずに溜まったりします。いわゆる「エラが張る」というのは、噛みしめなどによって顎の筋肉が凝り固まるためにエラ部分が目立つようになっている状態です。そこで、鍼によって顔にあるツボや咬筋などの筋肉に直接アプローチすることで、こりの改善や顔に溜まっていた老廃物の排出を促します。顔のこりがほぐれて血行が改善されると、顔の筋肉が正常な位置に戻り本来のフェースラインが復活しやすくなります。
さらに、顔に7カ所ある脂肪ポケットに溜まっていた老廃物を鍼で刺激して排出し、むくみやたるみが改善された場合も、小顔効果を実感できます。こりや老廃物が蓄積しないように生活習慣に気を付けていれば、施術の効果は2週間程度は持続します。
10.
ニキビ
ニキビにはいろいろな種類があり、「大人ニキビ」ともいわれる白ニキビは免疫力の低下によるホルモンバランスの乱れや、毛穴が詰まることで起こります。「思春期ニキビ」ともいわれる赤ニキビにはストレスと冷えが大きく影響します。東洋医学では、おなかや足が冷えると、気球と同じ原理で暖かい空気が上に上がるので、首や顔に熱がこもってしまうと考えられており、赤ニキビは、その行き場を失った熱が噴火したイメージだと考えられています。熱を持った状態のニキビに対しては、その周辺に鍼を打って血流を促進します。軽いニキビなら1回の施術でも効果を実感できるでしょう。
顔全体にニキビができている場合は、週1回程度のペースで施術し体質の改善を図るようにします。特に肝臓の働きが悪くなると解毒作用が低下し、ニキビができやすくなると考えられています。鍼でのアプローチで血行を改善し免疫力を向上させると同時に、顔までしっかりと栄養が行き渡るように内臓の働きも整えます。
施術の効果は、肌のターンオーバーに合わせて2~3週間程度の持続が期待できます。さらに回数を重ねていくことで、ニキビのできにくい体質に改善することが可能です。
11.
アンチエイジング
年齢を重ねるたびに気になってくるしわは、主に膠原線維と弾力線維の活力減少が原因です。そこで、しわが発生しやすい前頭筋、眼輪筋、口輪筋の皮下組織に鍼を打つことで、血流が改善し、衰えていた表情筋の筋力もアップします。これにより、自然と顔が引き締まり肌のハリをよみがえらせることにつながります。また、血行をよくすることで肌のくすみやたるみの改善も期待できるため、見た目の若々しさを維持することにつながります。鍼によって肌や筋肉に与えた効果は通常は2週間程度持続するとされていますが、年齢によっても異なり、個人差もあります。
12.
美容鍼のメリット
美容鍼は、化粧品やマッサージでは届かない真皮層を直接刺激することで皮膚の働きを高め、お肌に関する悩みを根本から改善するものです。そのため、化粧品やエステによる施術では得られない効果が期待できます。
また美容鍼に使用する鍼は髪の毛ほどの細いもので、数分で抜鍼するため体への負担も少なく、化粧品やマッサージのような肌表面への刺激も少ないため、敏感肌の方でも受けやすいというメリットがあります。
美容鍼は、美容と健康へのアプローチを合わせて行うため、「肌の調子を整えるためエステサロンに行く」「体の疲れを取るためにオイルマッサージサロンに行く」「体調が悪いので病院に行く」といった目的にまとめて対応できるものと考えれば、1回あたり1万円前後を超える金額がかかっても、高くないという声も聞かれます。
美容を目的としたサービスはいろいろありますが、美容鍼にはこのように、他の方法にはないメリットがあります。化粧品やエステなどの効果と組み合わせることも可能です。自分に合った方法をみつけて、キレイを目指しましょう。
13.
美容鍼で内出血する?
鍼治療による美容効果は、世界保健機構(WHO)でも認められており、負担が少なく安心して受けられる美容法として注目されています。ただ、内出血を起こす可能性がある点は、リスクとして知っておく必要があります。
鍼のような異物が体に入ると、通常は血管のほうが鍼をよけるのですが、血流が悪くて血管の弾力性が低下している場合には、鍼をよけきれずに出血してしまう場合があります。そのときに内出血が起こります。美容鍼で使用する鍼は髪の毛ほど細いとはいえ、網の目のように広がっている毛細血管をまったく傷つけないことは物理的に難しく、内出血を100%防ぐことはできません。また、顔には体よりも多くの毛細血管が通っているため、より内出血しやすいといえます。
とはいえ、万が一内出血してしまったとしても、ずっと残ることはありません。通常は1~2週間程度、早ければ2~3日、長くても3~4週間程度で自然に消える場合がほとんどです(個人差があります)。
内出血した場合はまず局部を冷やし、安定してきたら温めます。鍼をした翌日以降に内出血があらわれた場合は温めてください。そうすることで血流と共にリンパの流れも促進され、自然治癒力がアップし早く治ります。
14.
美容鍼をしている芸能人
「古代中国王朝の王妃が美容効果を求めて鍼治療を受けていた」という記録が残っているなど、鍼の美容効果については昔からよく知られていました。しかし、「美容鍼」としての認知度は、ここ5、6年で高まりました。そのきっかけは、ハリウッドスターなど海外のセレブリティが美容法に取り入れたこと。マドンナや欧米の女優、セレブ達が「Cosmetic Acupuncture(美容鍼)」を受けていることを米国などのメディアが報道し、世界的に注目されるようになりました。
日本でもモデルや芸能人が美容鍼を取り入れています。Instagramなどで男女問わず沢山の方が美容鍼でメンテナンスをされている様子が伺えます。
15.
健康的な美しさを手に入れるために
美容鍼のメカニズムや効果、化粧品やエステといった他の美容法との違いなどを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?「美容鍼って芸能人もやっているし、なんだかいいらしい」といった漠然とした印象をお持ちだった方も、「なぜよいのか」までおわかりいただけたかと思います。即効性だけでなく、「根本から悩みを解決する」「よい状態をキープできる」「繰り返し施術を受けることで体質から改善し、健康的にキレイになれる」といった効果を実感してみたい方は、ぜひ、一度サロンを訪れてみてはいかがでしょうか。
16.
メイクは落として行ったほうがよいですか?
施術前に、鍼を刺す部位のメイクを落としていただく必要がございますが、当院にてメイク落としをご用意しておりますのでメイクをしたままご来院頂きましても問題ございません。
17.
着替えは持参した方が良いですか?
もちろんご持参していただいたものでも可能ですが、お着替えは当院にてご用意しておりますのでお気軽にご利用ください。
18.
どのくらいのペースで通えば良いのでしょうか。
当院では今まで沢山の方々の美容鍼施術をさせていただきましたが、皆様の臨床の統計上、最初の2ヶ月間は一週間~10日に一度来院される事をお勧めしております。
最初に詰めてコンスタントに治療をすることにより、筋肉が正しい位置を記憶するので、もとに戻りづらくなります。
それ以降は月に一、二度だけでも、十分に効果を持続できている方が多いです。
19.
美容鍼の跡が残ったり内出血することはありますか?
お顔は毛細血管が非常に多い為、体調の優れない方、あざのできやすい方は、まれに内出血を起こす場合がございますが一週間前後で消えますので、長期に渡り痕が残ることはございません。
20.
生理中は治療を受けられますか?
お身体には問題ございませんのでご安心ください。
21.
妊娠中は鍼灸治療を受けられますか?
基本的には問題ございませんが、鍼治療自体が初めての方は、安定期に入ってから受診されることをお勧めいたします。
妊娠時も肩こり、腰痛、不眠、トイレが近くなったり等症状が多くでますのでカウンセリングによってお身体の状態をしっかり見極め、適切な施術を行います。
22.
支払い方法は?
現金,その他キャッシュレス決済がご利用可能です。
23.
鍼灸を受けられない場合はどのような時ですか?
WHOにより定めされた禁忌事項(※)に当てはまる場合は施術を致しかねます。
※腫瘍、血友病、壊血病、紫斑病、免疫不全症、肺炎など高熱を発する疾患、血圧が著しく高い時あるいは低い時、酩酊時、精神異常時、その他重篤な状態にある時
また、脳梗塞、動脈硬化などを患いワーファリンやアスピリン系の薬を服用されている方、インフルエンザにかかっている方、急性ヘルペス発疹に罹患している方、急性アレルギー反応が出ている方もお断りさせていいただいております。
24.
妊娠中は鍼治療可能ですか?
今までに鍼を受けられたことがある方であれば鍼治療は可能です。
妊娠時に出ます肩こり、腰痛、不眠、頭痛等の症状の改善にもなります。
しかし、美容鍼の場合は長時間仰向けの姿勢になっていただく必要がございますので、お身体の治療をお勧めいたします。