妄想という言葉の意味
精神医学でいう妄想は、事実や周囲の説明と食い違っていても、本人には強い確信として続く考えを指します。誰かと意見が違うことや、一般的でない信念を持つことだけでは判断できません。医師は、その人の文化や生活の背景、ほかの症状も含めて診察します。
本人にとっては確かなことなので、周囲から否定されると、理解してもらえないつらさや不信感が強まる場合があります。話の内容を論破しようとするより、何が怖いのか、眠れているか、生活で何に困っているかを聞くことが相談の入り口になります。
一次妄想と二次妄想
この二つは、考えの内容ではなく、その考えがどのように生じたかに注目する区別です。一次妄想では、本人の気分やそれまでの体験をたどっても、なぜその確信が生じたかを通常の心理のつながりとして理解しにくいとされます。
二次妄想は、不安や抑うつ、幻覚などとの関係から、考えが生じた経緯をある程度理解できるものです。経緯を理解できることと、その内容が事実であることは別です。
一次妄想を考えるうえでは、次のような体験の違いが説明されます。
妄想気分
周囲にただならぬ変化が起きていて、自分にも関係していると感じます。ただ、何が起きているのかは、まだはっきりしません。不気味さや不安を伴うことがあります。世界が崩れてしまうように感じる「世界没落体験」も、この文脈で述べられます。
妄想知覚
実際に見たり聞いたりしたものに、周囲には理解しにくい特別な意味が結びつきます。知覚した対象そのものと、それが自分に何を意味するかという確信を分けて捉える用語です。
妄想着想
ある考えが突然浮かび、最初から確かなこととして感じられる体験です。きっかけなく生じる場合も、何かを見聞きした際に生じる場合もあります。
これらは診察で体験を詳しく理解するための用語です。身近な人が分類を決める必要はありません。気になる変化が続くときは、本人の困りごとと、いつからどんな様子が見られるかを医療機関へ伝えてください。
参考:日本精神病理学会「妄想」。各用語の説明へも同ページから進めます。
仙台市青葉区 大沼鍼灸

