保続(ほぞく)

同じテーマの話しかできなくなってしまう

保続(ほぞく)とは一つのことに集中してしまい、別のテーマに移る事ができなくなってしまうことを言います。

脳がダメージを受けている脳器質性疾患、とくに認知症でよく見られます。

「今日は何をしてきたの?」

「おしゃべり」

「ご飯は何を食べたの?」

「おしゃべり」

「誰が手伝ってくれたの?」

「おしゃべり」

といった具合です。

また、言葉だけでなく行動についても保続は起こり得ます。

滞続言語(たいぞくげんご)

似ている症状として 滞続言語(たいぞくげんご)と言うものもあります。保続と違うい最初の言語というわけではなくいつも同じワードを連続して発します。オルゴールのように繰り返すことから、オルゴール時計症状ともいいます。

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迂遠(うえん)

言いたい事に辿り着くまでに、とにかく時間がかかる。

まわりくどい話し方になってしまうのが、迂遠と言います。観念奔逸とも似ていますが、こちらは言いたい事に辿り着く事ができます。

多くは、脳自体にダメージが見られる場合(認知症)、つまり脳器質性疾患で多く見られます。

また、高齢者やもともと不安の気が多い人でも起こり得ます。

端的に話す事ができなくなってしまうため、他人は患者との会話を面倒に思うようになり、孤立してしまう事がままあります。

ご本人でも自覚がある場合、ない場合、どちらも同じくらいな印象です。

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思考化声(しこうかせい)/思想化声(しそうかせい)

頭の中の考えが、声となって聞こえる。

思考化声(しこうかせい)/思想化声(しそうかせい)は、自分の頭の中で思っていること、考えている事が、声として相手にも伝わってしまうように感じるものです。

人と対面した時、「◯◯さん、今日も素敵だなあ。」「今日もこの人と1日一緒かあ、嫌だなあ。」とか、頭の中で思ったことが相手にも聞こえているような感覚がするため、相手に気づかれてしまうように感じてしまうため、人に会うのが怖くなったり、ひどい場合引きこもりになってしまう事もあります。

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思考途絶(しこうとぜつ)

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸会話が途切れる。思考が急に止まる。

思考制止(しこうせいし)が「ゆっくり」だとすると、思考途絶は「一時停止」です。数秒にわたって止まってしまう事も有りますが、1秒程度の停止が会話の途中で何度も起きる、細切れの停止も有ります。統合失調症の軽度な症状として多く見受けられます。

本人にはコントロールできない問題なため、相手にプレッシャーをかけないように待つ話しをうまく引き出す合いの手、を入れたり、補助するように話を聞けると良いでしょう。

思考制止(しこうせいし)

全てがゆっくりになってしまう

うつ状態の方に多く見受けられます。うつ病を診断する診断基準の項目にも選定されている症状です。

会話もゆっくり、行動もゆっくり、もちろん頭の回転もゆっくりになってしまいますが、本人は至って普通、もしくは精一杯急いでいます。頑張って急いでいる場合でも、周りからはゆっくりしているように見られてしまうため、本人は気を遣うこともあり大変な疲労を伴います。

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滅裂思考(めつれつしこう)

関連性のない話題に突然飛ぶ。

滅裂思考は、関連性なく話題が飛ぶ症状をいいます。統合失調症で見られます。

会話をしていると、話題に関連性がないために相手を混乱させてしまう事が多くあります。人によってはイライラしたり、怪訝な子をされてしまう。ただ、本人は伝えたいことがうまく伝えられないと言うストレスがあります。

軽い症状の場合、連合弛緩ともいいます。

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観念奔逸(かんねんほんいつ)

話題が脱線し、言いたいことを見失う。

観念奔逸は、話していると次々に話が脱線してしまう症状です。躁状態で特に多く見られます。微妙に関連のある話がポンポン思い浮かんできて、そのまま話が進んでいきます。

会話を楽しんでいる時、楽しさのあまりに話が脱線してしまった経験がある人は少なくないかと思います。それとほぼ同じ事が起きます。

「このあいだ職場で嫌がらせを受けてさ…あ、そういえば◯◯ちゃん転職したんだっけ?私もあんな綺麗なビルで働きたいなー。あそこのビルの下に入ってるカフェも素敵だよね。チーズケーキがすごく美味しくて…」のような感じです。

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幻覚(げんかく)

何もないはずなのに感じてしまう。

幻覚は、対象物がないのに見えてしまうことを言います。

見間違いや聞き間違い、勘違いとは異なり、何もないところから何かを感じてしまうので、日常生活では他人の理解を得ることが難しく、患者の大きな負担の一つになってしまいます。

事実であるかは別として、本人は確かにそう感じたと言う事実だけを受け入れる事が大切です。

幻聴(げんちょう)

幻覚の中で最も多いのが幻聴です。幻聴に苦しむ方のほとんどが、暴言悪口が聞こえてくると訴えます。何かをしようとすると、行動を制限するような幻聴が聞こえてきたり、気分を落とすような事、存在自体を否定されるような言葉が聞こえてくることもあります。

さらに、耳で聞こえているものではないので、耳栓をしようが音楽を聴こうが消えません。気にするな、では済まされない苦しみがあります。

幻視(げんし)

幻視とは、何もないのに、本当に存在しているように見えてしまう症状です。

精神疾患による症状としてよりも、依存症の離脱症状、認知症(レビー小体型認知症)、ドラッグによるものなどが多いでしょう。

体感幻覚(たいかんげんかく)

体感幻覚とは、身体に感じる幻覚、です。

実際には身体に何も起こっていないのに、虫がはっている、頭の中を突かれている、身体を刺されている、などの感覚を感じます。

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錯覚(さっかく)

見間違えてしまう

本人は「本当にそう見えた」

錯覚とは、対象を間違えて認識してしまうことを言います。

実際に「何か」がある見間違えなのですが、本人にとっては「本当に見えた。見間違いなんかじゃなく、確かに見た。」となります。

精神疾患と診断されていなくても、見えたものを間違って捉えてしまうことはよくあります。ただ、精神疾患のある患者に対しては、否定せずに聞き入れる事が大切です。

対象物が違うものであったことも事実ならば、本人にはそう見えたと言うことも事実だからです。

心理教育(しんりきょういく)/疾病教育(しっぺいきょういく)

自分自身の疾患の正しい知識を身につけ、対応できるようにする。

心理教育とは、患者もしくはその家族へ、精神疾患や治療についての知識を教える事です。精神疾患に対して対応するには、まずその正体を理解する事が先決。

疾患の兆候(サイン)を知ること悪化した時に対応できることを目標に、知識を身につけていただくことになります。自分自身の病気を知ることで、心の準備と言いますか、心構えを持っておくことで負担を減らすことに繋がり、「あ、きた。やばいかも。」と自分のラインを感じ、専門家に助けを求めるタイミングがわかることにもつながります。

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集団精神療法(しゅうだんせいしんりょうほう)

同じ精神疾患の悩みを持つ仲間との絆

映画をよく見る方はわかると思いますが、洋画でよく「断酒会」として登場するのが、この集団精神療法です。

同じ時間・同じ場所で複数人の同じ悩みを持った患者が集まり、コミュニケーションを通じて問題の解決を目指します。

アルコール・ギャンブル・セックス・ドラッグの依存症摂食障害によく用いられていますが、うつ病や統合失調症、不安症などにも有効だと思います。

一番のキモは、独りではなく仲間とともに治癒していく安心感、互いが持っている知識の交換、自分の経験や知識が人の役に立っているという自己効力感、仲間がよくなっていくことで得られる希望、などです。

現場に立っていてマンツーマンでお話を聞いていると、マンツーマンだから聞けるお話やさらけ出せる心がある、と強く感じると同時に、集団でしか得られない高揚感やエネルギーがある、とも感じます。

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認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)

物事のとらえかたを整える

認知行動療法は、認知(物事の解釈)をバランスよく整えて、円滑な行動を促していく療法です。

具体的には、「買い物に行った際に、店員に声をかけたが無視された。」という物事に対して、「忙しくて聞こえてないか」と思う人もいれば、「わざと無視された。なめられている。」と怒る人、「面倒な客だと思われて避けられた」と悲しい気持ちになる人など、実に多様な受け止め方をする人がいます。

自分にはどんな受け止め方のクセがあるのかを知り、であればどんな受け止め方をするように努めたら、穏やかに過ごせるのかを考えていきます。捉え方のクセをコントロールして、わかりやすくいえばポジティブになれる捉え方を身に付けていきます。

うつ病や不安障害に多く用いられ、症状によりますが統合失調症や神経発達症にも用いられる印象があります。

ただ、こちらも自分自身と向き合う事が必須であり、体調が安定しているかどうかには注意しながら用いる事が多いです。

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精神分析療法(せいしんぶんせきりょうほう)

対話によって相手の背景を分析する

有効なのは、いわゆる不安症である解離性障害強迫症などの精神疾患に限定されます。また、統合失調症に用いると逆に悪化させてしまう可能性もあり、要注意です。

フロイトという精神医が創始者であり、患者の問題や時間・場所などの条件に合わせて行う精神療法です。1週間に一回、45分程度の時間の中で面接形式で実施される事が多いです。

具体的には、支持的療法のようにただありのままを話していただくのですが、セラピスト側からも質問や問いかけをし、深掘りをしていく事が特徴です。ご本人も認識していない患者の背景にある「何か」を見つけるために掘り下げていくので、PTSDや統合失調症などには行わない事が多いと思います。

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支持的精神療法(しじてきせいしんりょうほう)

ほとんどの精神疾患に対して有効

患者の心の声を聞く事が大切

支持的精神療法は、カウンセリングの基礎となる精神療法です。

傾聴

親身になってよく聞く。

受容

受け止める。

共感

感じていること、思っていることを尊重し、支持する。

3つのことを中心に進める精神療法です。

患者は思っていること、感じていることを誰かに話すことで、思考や感情がまとまり、落ち着いていきます。

お身体の不調、特にコリや痛みの場合は、発生した経緯などを詳し苦聞くものですが、精神療法ではあなたはそう思っているのですね、と相手の話したいことを目一杯話してもらう事が重要になります。間違っても、相手を苦しめるような詰める聴き方はしません。

患者の考えていること、感じていることを、ありのまま・そのまま話してもらえるように、環境やこちらの態度を整えることが、施術者やカウンセラーの実力といっていいかもしれません。

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