作為思考・思考吹入・思考伝播とは

自分の考えを、誰かに動かされているように感じる

作為思考とは、自分の考えが他人や外部の力によって作られたり、操られたりしていると感じる体験です。自分で考えているという感覚が失われ、誰かに考えさせられているように感じます。

こうした「させられている」という体験は、考えだけでなく、感情や身体の動きなどにも生じます。これらを含めて作為体験、またはさせられ体験と呼びます。

思考吹入

自分のものではない考えを、外から頭の中へ入れられたと感じる体験です。他人の話に影響されて意見が変わることとは違い、考えそのものが自分に入ってきたように体験されます。

思考伝播

口に出していない自分の考えが、外へ伝わって他人に知られていると感じる体験です。心の中にとどめているつもりのことまで知られてしまうと感じ、周囲の人に会うのがつらくなることがあります。

いずれも、外部から実際に操作されたり、考えが他人へ伝わったりしているという意味ではありません。本人がどのように体験しているかを説明する医学用語です。

相談するときは、何を考えたかに加えて、「自分の考えとは思えない」「誰かに知られるのが怖い」など、困っている感覚を伝えてください。精神科やかかりつけの医療機関で、睡眠や体調の変化も含めて相談できます。

参考:日本精神病理学会の考想被影響体験の分類、玉川大学の談話会報告にある思考吹入・させられ体験の説明。

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うつ病(鬱病・うつびょう)

うつ病について

頑張りたいのに動けない。以前は楽しめたことに気持ちが向かない。うつ病では、気分だけでなく、睡眠、食欲、集中力、身体の疲れなどにも変化が起こります。怠けている、気持ちが弱い、といった性格の説明では捉えられません。

原因を一つに決めない

以前の本文では、ストレスを最も大きな原因とし、神経伝達物質の異常からうつ病になる、と説明していました。うつ病には、遺伝、生物学的な要因、生活環境、心理的な要因などが関わると考えられています。NIMHのうつ病の解説

薬が脳内の物質へ作用することと、その人のうつ病の原因が特定の物質の不足だとわかることは別です。医療機関では症状や経過を伺い、身体の病気や薬の影響なども含めて確認します。

つらさの現れ方は人によって違います

眠れなくなる人もいれば、眠りすぎる人もいます。食欲がなくなる場合と、食べすぎる場合もあります。考えが進まない、決められない、自分を強く責めるなどのつらさが出ることもあります。

すべての症状がそろうまで、相談を待つ必要はありません。仕事や身の回りのことが難しくなっている場合は、精神科やかかりつけの医療機関にご相談ください。治療は、状態に応じて心理療法や薬などを組み合わせて考えます。

「動けないから大丈夫」とは判断できません

旧本文にあった「急性期には体を動かす気力もないために心配はない」という説明は誤りでした。自殺や自傷の危険は、活動する元気の有無や、急性期・回復期という区分だけでは判断できません。

自分を傷つけたい気持ちがある、今すぐ実行しそうだと感じる場合は、一人で抱えず、身近な人や医療機関へ助けを求めてください。命に危険があるときは救急へ連絡してください。鍼灸の予約を待つ状況ではありません。

当院では、医療機関での治療を踏まえて、身体のこわばりや日々の負担について伺います。身体を緩めればうつ病が治ると約束したり、薬をやめるよう勧めたりすることはありません。

強迫観念(きょうはくかんねん)

自分でも、「おかしい」と感じている。

強迫観念とは、ある物事に対しての考えや意識が合理的でない、ということを自覚してもなお拭えない、そんな状態を指します。

「家の電気を消してきただろうか?」と思いながらも、消した記憶もあるし、絶対消したはず。だけれど気になってしまう。本人もこんなに気にしすぎるなんて、私はおかしいの?と不安な気持ちでいっぱいになってしまいます。

また、実際に電気を消したかどうかを確かめに家に帰る、すなわち行為を伴うものは強迫行為と言います。

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支配観念(しはいかんねん)

強い不安・疑念

正常な人にも見られるものですが、疑念・不安といってもいい症状です。

妄想=確信

支配観念=強い疑念・不安

通常の人であれば、周囲の人から指摘されると、ある程度自分で抑制できるものもあります。が、一般に精神疾患と診断されるレベルの方の支配観念となると、かなり強い感情の疑念になりますので、なかなか拭うことは難しい。妄想と違って自分は間違っている可能性に気づいているため、自身を攻撃しやすいとも言えます。

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保続(ほぞく)

同じテーマの話しかできなくなってしまう

保続(ほぞく)とは一つのことに集中してしまい、別のテーマに移る事ができなくなってしまうことを言います。

脳がダメージを受けている脳器質性疾患、とくに認知症でよく見られます。

「今日は何をしてきたの?」

「おしゃべり」

「ご飯は何を食べたの?」

「おしゃべり」

「誰が手伝ってくれたの?」

「おしゃべり」

といった具合です。

また、言葉だけでなく行動についても保続は起こり得ます。

滞続言語(たいぞくげんご)

似ている症状として 滞続言語(たいぞくげんご)と言うものもあります。保続と違うい最初の言語というわけではなくいつも同じワードを連続して発します。オルゴールのように繰り返すことから、オルゴール時計症状ともいいます。

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迂遠(うえん)

言いたい事に辿り着くまでに、とにかく時間がかかる。

まわりくどい話し方になってしまうのが、迂遠と言います。観念奔逸とも似ていますが、こちらは言いたい事に辿り着く事ができます。

多くは、脳自体にダメージが見られる場合(認知症)、つまり脳器質性疾患で多く見られます。

また、高齢者やもともと不安の気が多い人でも起こり得ます。

端的に話す事ができなくなってしまうため、他人は患者との会話を面倒に思うようになり、孤立してしまう事がままあります。

ご本人でも自覚がある場合、ない場合、どちらも同じくらいな印象です。

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思考化声(考想化声)とは

自分の考えが、声のように聞こえる

思考化声は、考想化声とも呼ばれます。自分が考えている内容が、声や音として聞こえる体験です。頭の中で言葉を使って考える普段の内言とは違い、本人には聞こえてくる声として体験されます。

思考伝播との違い

思考化声では「自分の考えが声として聞こえる」ことが中心です。一方、「口に出していない考えが周囲に伝わり、知られてしまう」と感じる体験は、思考伝播と呼ばれます。同じ人に両方が生じることもありますが、用語としては区別します。

どちらも、考えが実際に他人へ送られていることを示す言葉ではありません。本人にはそう感じられるため、人と会うことや考えることが怖くなる場合があります。

自分の体験をうまく説明できなくても、声の聞こえ方や、何が心配かをそのまま精神科やかかりつけの医療機関に伝えてください。用語を先に覚えたり、自分で病名を決めたりする必要はありません。

参考:柴山雅俊「解離症と統合失調症」(『精神神経学雑誌』127巻、2025年、III-1)、NIMHの精神病症状の説明。

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思考途絶(しこうとぜつ)

仙台市仙台市青葉区 大沼鍼灸会話が途切れる。思考が急に止まる。

思考制止(しこうせいし)が「ゆっくり」だとすると、思考途絶は「一時停止」です。数秒にわたって止まってしまう事も有りますが、1秒程度の停止が会話の途中で何度も起きる、細切れの停止も有ります。統合失調症の軽度な症状として多く見受けられます。

本人にはコントロールできない問題なため、相手にプレッシャーをかけないように待つ、話しをうまく引き出す合いの手、を入れたり、補助するように話を聞けると良いでしょう。

思考制止(しこうせいし)

全てがゆっくりになってしまう

うつ状態の方に多く見受けられます。うつ病を診断する診断基準の項目にも選定されている症状です。

会話もゆっくり、行動もゆっくり、もちろん頭の回転もゆっくりになってしまいますが、本人は至って普通、もしくは精一杯急いでいます。頑張って急いでいる場合でも、周りからはゆっくりしているように見られてしまうため、本人は気を遣うこともあり大変な疲労を伴います。

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滅裂思考(めつれつしこう)

関連性のない話題に突然飛ぶ。

滅裂思考は、関連性なく話題が飛ぶ症状をいいます。統合失調症で見られます。

会話をしていると、話題に関連性がないために相手を混乱させてしまう事が多くあります。人によってはイライラしたり、怪訝な子をされてしまう。ただ、本人は伝えたいことがうまく伝えられないと言うストレスがあります。

軽い症状の場合、連合弛緩ともいいます。

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観念奔逸(かんねんほんいつ)

話題が脱線し、言いたいことを見失う。

観念奔逸は、話していると次々に話が脱線してしまう症状です。躁状態で特に多く見られます。微妙に関連のある話がポンポン思い浮かんできて、そのまま話が進んでいきます。

会話を楽しんでいる時、楽しさのあまりに話が脱線してしまった経験がある人は少なくないかと思います。それとほぼ同じ事が起きます。

「このあいだ職場で嫌がらせを受けてさ…あ、そういえば◯◯ちゃん転職したんだっけ?私もあんな綺麗なビルで働きたいなー。あそこのビルの下に入ってるカフェも素敵だよね。チーズケーキがすごく美味しくて…」のような感じです。

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幻覚とは。幻聴・幻視・体感幻覚について

幻覚の現れ方

幻覚とは、対応する外部の刺激がないのに、声が聞こえたり、ものが見えたりする知覚の体験です。聞こえ方や見え方には個人差があります。本人には実際の声や姿のように感じられ、周囲と体験を共有できないことが負担になる場合があります。

周囲の人は、自分には聞こえない、見えないことを伝えながら、本人が感じている怖さや困りごとを聞いてください。幻覚の内容を事実として認めることと、その人の苦痛を受け止めることは別です。

幻聴

周囲で話している人がいないのに、声や音が聞こえる体験です。悪口や命令のような声もあれば、会話や音楽として聞こえることもあります。耳元で聞こえる、頭の中に響くなど、感じ方もさまざまです。

「気にしなければよい」と言われても、本人には難しいことがあります。どんな声が、いつ、どのくらい聞こえるか、眠りや生活への影響も含めて医療機関で相談してください。

幻視

そこにはない人や動物、ものなどが見える体験です。精神疾患のほか、認知症などの身体の病気、薬や飲酒の影響でも起こります。原因によって対応が変わるため、いつから見えるようになったか、体調や服薬に変化があったかを伝えることが役立ちます。

体感幻覚

身体の中に何かが入っている、内臓が動かされているなど、身体の内部に生じる異常な感覚を指します。診察や検査で、その感覚に対応する身体の病気があるかを調べたうえで判断されます。痛みや違和感を、周囲の判断だけで幻覚と決めることはできません。

幻覚は、一つの病気だけに現れる症状ではありません。新たに症状が出たときや、生活に支障が続くときは、精神科やかかりつけの医療機関に相談してください。

参考:厚生労働省の幻覚・妄想の説明、日本精神病理学会「幻聴」。

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錯覚(さっかく)

見間違えてしまう

本人は「本当にそう見えた」

錯覚とは、対象を間違えて認識してしまうことを言います。

実際に「何か」がある見間違えなのですが、本人にとっては「本当に見えた。見間違いなんかじゃなく、確かに見た。」となります。

精神疾患と診断されていなくても、見えたものを間違って捉えてしまうことはよくあります。ただ、精神疾患のある患者に対しては、否定せずに聞き入れる事が大切です。

対象物が違うものであったことも事実ならば、本人にはそう見えたと言うことも事実だからです。

心理教育(しんりきょういく)/疾病教育(しっぺいきょういく)

自分自身の疾患の正しい知識を身につけ、対応できるようにする。

心理教育とは、患者もしくはその家族へ、精神疾患や治療についての知識を教える事です。精神疾患に対して対応するには、まずその正体を理解する事が先決。

疾患の兆候(サイン)を知ること、悪化した時に対応できることを目標に、知識を身につけていただくことになります。自分自身の病気を知ることで、心の準備と言いますか、心構えを持っておくことで負担を減らすことに繋がり、「あ、きた。やばいかも。」と自分のラインを感じ、専門家に助けを求めるタイミングがわかることにもつながります。

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集団精神療法(しゅうだんせいしんりょうほう)

同じ精神疾患の悩みを持つ仲間との絆

映画をよく見る方はわかると思いますが、洋画でよく「断酒会」として登場するのが、この集団精神療法です。

同じ時間・同じ場所で複数人の同じ悩みを持った患者が集まり、コミュニケーションを通じて問題の解決を目指します。

アルコール・ギャンブル・セックス・ドラッグの依存症や摂食障害によく用いられていますが、うつ病や統合失調症、不安症などにも有効だと思います。

一番のキモは、独りではなく仲間とともに治癒していく安心感、互いが持っている知識の交換、自分の経験や知識が人の役に立っているという自己効力感、仲間がよくなっていくことで得られる希望、などです。

現場に立っていてマンツーマンでお話を聞いていると、マンツーマンだから聞けるお話やさらけ出せる心がある、と強く感じると同時に、集団でしか得られない高揚感やエネルギーがある、とも感じます。

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認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)

物事のとらえかたを整える

認知行動療法は、認知(物事の解釈)をバランスよく整えて、円滑な行動を促していく療法です。

具体的には、「買い物に行った際に、店員に声をかけたが無視された。」という物事に対して、「忙しくて聞こえてないか」と思う人もいれば、「わざと無視された。なめられている。」と怒る人、「面倒な客だと思われて避けられた」と悲しい気持ちになる人など、実に多様な受け止め方をする人がいます。

自分にはどんな受け止め方のクセがあるのかを知り、であればどんな受け止め方をするように努めたら、穏やかに過ごせるのかを考えていきます。捉え方のクセをコントロールして、わかりやすくいえばポジティブになれる捉え方を身に付けていきます。

うつ病や不安障害に多く用いられ、症状によりますが統合失調症や神経発達症にも用いられる印象があります。

ただ、こちらも自分自身と向き合う事が必須であり、体調が安定しているかどうかには注意しながら用いる事が多いです。

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精神分析療法(せいしんぶんせきりょうほう)

対話によって相手の背景を分析する

有効なのは、いわゆる不安症である解離性障害や強迫症などの精神疾患に限定されます。また、統合失調症に用いると逆に悪化させてしまう可能性もあり、要注意です。

フロイトという精神医が創始者であり、患者の問題や時間・場所などの条件に合わせて行う精神療法です。1週間に一回、45分程度の時間の中で面接形式で実施される事が多いです。

具体的には、支持的療法のようにただありのままを話していただくのですが、セラピスト側からも質問や問いかけをし、深掘りをしていく事が特徴です。ご本人も認識していない患者の背景にある「何か」を見つけるために掘り下げていくので、PTSDや統合失調症などには行わない事が多いと思います。

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支持的精神療法(しじてきせいしんりょうほう)

ほとんどの精神疾患に対して有効

患者の心の声を聞く事が大切

支持的精神療法は、カウンセリングの基礎となる精神療法です。

傾聴

親身になってよく聞く。

受容

受け止める。

共感

感じていること、思っていることを尊重し、支持する。

3つのことを中心に進める精神療法です。

患者は思っていること、感じていることを誰かに話すことで、思考や感情がまとまり、落ち着いていきます。

お身体の不調、特にコリや痛みの場合は、発生した経緯などを詳し苦聞くものですが、精神療法ではあなたはそう思っているのですね、と相手の話したいことを目一杯話してもらう事が重要になります。間違っても、相手を苦しめるような詰める聴き方はしません。

患者の考えていること、感じていることを、ありのまま・そのまま話してもらえるように、環境やこちらの態度を整えることが、施術者やカウンセラーの実力といっていいかもしれません。

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